
歯周病とは、歯の周囲に付着したプラーク(歯垢)が歯と歯肉の隙間に入り込み、歯を支えている骨を溶かしてしまう病気です。プラークには非常に多くのバクテリアが含まれていて、そのバクテリアの出す毒素が歯肉に炎症を起こし、そして歯をささえている骨を溶かすのです。歯肉が腫れる、歯肉から出血する、口臭が気になる、歯がグラグラするなどの症状があれば、歯周病にかかっているのかもしれません。また、歯周病は歯を失うだけでなく、心臓病や糖尿病などの全身疾患にも悪影響を与えています。 |
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こんなことに思い当たりませんか?
- 歯ぐきをみがくとき出血することがある
- 歯ぐきからウミがでることがある
- 歯ぐきが赤くはれたり、痛むことがある
- 歯がグラグラと動く感じがする
- 歯と歯の間に、よく食べ物がはさまる
- 口臭があり、口がくさいといわれたことがある
- 朝起きたとき、口が粘ついたり、妙な味がする
- 鏡で見ると、前よりも歯が長くなったように感じる

はじめは自覚症状がなく鏡で見ても気がつきませんが、そのうちに歯肉が赤くなったり腫れたりします。
歯垢が石灰化し歯石になると、自分では取り除きにくくなって歯周病が悪化し、歯と歯肉に付着している部分に隙間(歯周ポケット)ができます。さらに炎症が歯肉の内部に進行すると、歯根膜や歯槽骨が破壊されて、歯を固定する力がだんだん弱くなります。 この状態のまま放っておくと、ついには歯を失うことになります。
歯を失う原因の第1位はむし歯ですが、歯周病もむし歯の次に歯を失う大きな原因となっています。特に40歳あたりからは、歯周病の比率が高くなっています。

健康な歯肉の状態 |
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健康な歯肉には、ステップリング(みかんの皮の表面の小さなくぼみのような状態)がみられます。写真は、サンゴ色、またはピンク色でひきしまって弾力性のある健康歯肉の状態。 | ![]() |
歯肉炎 |
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歯のつけ根の表面に、プラークがたまり、歯の周囲や歯と歯の間に炎症が起こります。ブラッシングしたときや、固いものを食べると、出血することもあります。これくらいではまだ痛みもあまりありません。(この段階を「歯肉炎」といいます) | ![]() |
歯周炎 |
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プラークが歯石(しせき)になり、歯石は大きくなって、歯根膜が溶け歯肉溝のなかにも広がってきます。歯肉溝はだんだん深くなり、歯肉の弾力性がなくなって、歯肉ポケットと呼ばれる空間ができます。炎症も進行し、歯槽骨の破壊も始まります。 | ![]() |
重度歯周炎 |
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炎症が進むと歯肉ポケットがさらに深くなり、歯槽骨がほとんど破壊され、歯がぐらつき歯の根も見えてきます。出血や口臭も強くなり常時ウミがでるようになります。その状態を一般に歯槽膿漏(しそうのうろう)といいます。 | ![]() |
当医院での歯周治療の症例は、治療例に掲載しておりますのであわせてご覧下さい。